研究概要 |
前年度までに測定,解析した胃粘膜スペクトル解析結果に基づき単板式CCDカメラによる電子内視鏡のモザイクフィルターアレイを設計した.また,光学内視鏡の最適光源設を凸射影法を用いて行った.これらはいづれも胃内視鏡を対象としたものである. 一方、胃粘膜スペクトル測定用に開発した内視鏡分光器を改良して大腸粘膜粘膜スペクトル測定を行った.大腸粘膜スペクトル測定は患者の負担が非常に大きいため測定装置を医師が操作し易くし,短時間で測定が可能なようにシステムを開発した.この内視鏡分光器を用いて国立京都病院内視鏡センターと消化器内科の協力の下で大腸粘膜スペクトル測定を実施した.これらのスペクトルの主成分分析の結果,第1,第2主成分で90数%の分光反射率が記述できることを示した.また,これらの解析結果に基づき宗子内視鏡RGB信号から粘膜各点の分光反射率の推定を行うアルゴリズムを開発した.さらに,大腸粘膜画像を対象として測色的色再現の計算機シミュレーションを行った.この色再現モデルを用いて照明光源,色分解フィルター,CCDの分光感度,ライトガイドファイバーの分光透過率を各種想定したシミュレーション画像を多数作成した. また,これら電子内視鏡の測色的色再現にvon Kries,Hunt,Fairchildらの色順応,カラーアピアレンスモデルを考慮した色再現アルゴリズム開発も行っている.
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