研究課題/領域番号 |
08455033
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
黒田 和男 東京大学, 国際・産学共同研究センター, 教授 (10107394)
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研究分担者 |
的場 修 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20282593)
志村 務 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90196543)
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キーワード | フォトリフラクティブ材料 / AlGaAs / GaAs量子井戸 / 近赤外線 / 高出力半導体レーザー / インジェクションロック / 3次元光導波路 / ドット列型導波路 |
研究概要 |
本研究課題では、(1)近赤外域で動作する半導体フォトリフラクティブ材料の開発、(2)二重位相共役鏡を用いた近赤外高出力半導体レーザーのビーム整形、および(3)3次元光導波路の作成を行った。 (1)InGaAs/GaAs量子井戸構造を使った、1μm近傍に感度を持つフォトリフラクティブ素子の開発を行った。フォトリフラクティブ素子として機能させるためには半絶縁化が不可欠である。われわれは、陽子照射法および低温成長法のニ通りの方法で試み、ともに、10^5Ωcm程度まで抵抗率を上げることに成功した。2光波混合法によりフォトリフラクティブ結合ゲインを測定し、波長930-940nmでG=10cm^<-1>程度の値を得た。これまで、AlGaAs系の素子がもっぱら研究されており、InGaAs系の930nmでは初めての成果である。 (2)高出力半導体レーザーのビーム品質を向上させるため、従来型のフォトリフラクティブ材料であるチタン酸バリウムを用い、インジェクションロックの研究を行った。本年度はとくに2段階構成を採用し、レーザー出力の更なる高出力化を試み、出力850mWまで縦モードの単一化および横方向の空間コヒーレンスの向上を達成した。 (3)超高密度光インターコネクションの実現を目的に、3次元光導波路の作成実験を行った。これは、フォトリフラクティブ材料(ニオブ酸リチウム)中に高屈折率のドット列を書き込み光を導波する方式である。ドット方式は、導波路の書き換えが容易に行えるという利点がある。われわれはドット列が導波特性を有することを初めて実証し、1本の曲り導波路にドット列を書き加え、Y分岐に変換することに成功した。
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