本研究は、面発光レーザ構造を用いて、その偏波面の超高速スイッチング技術を確立し、この新しい光変調素子を用いた超高速光通信システム実現のための基礎を確立することを目的として研究を行い、以下の成果を得た。 ア)有機金属気相成長法を用いて、p型高濃度ド-ピング技術を開拓して、高指数面(311)B面基板上の面発光レーザを初めて実現し、30dB以上の大きな抑圧比で安定な偏波面制御を初めて実現した。 イ)選択酸化膜狭窄構造を導入した偏波面制御構造面発光レーザを製作し、しきい値電流0.25mA、光電気変換効率11%の低しきい値素子を実現した。 ウ)偏波制御面発光レーザの1Gb/sの直接変調下での動特性を実験的に明らかにし、高指数面基板の利用による偏波制御の優れた安定性を実証した。 エ)レーザ共振器内に直交する偏波面に選択的に損失を与えて、偏波面をスイッチングする偏波面の制御方式を提案し、その偏波面スイッチングによる変調モデルの確立と量子細線構造による偏波面変調素子の基礎技術形成法について検討した。 オ)歪伝導層を有する新規な高速光検出器を提案し、偏波面スイッチングによる高速変調を利用した高速光インターコネクト構築の基礎技術を確立した。
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