研究概要 |
本研究の目的は、半導体レーザー(LD)励起マイクロチップレーザーと新しい非線形光学結晶であるCLBO(CsLiB_6O_<10>)を用いてコンパクトな光パラメトリック発振器(OPO)を開発することにある。最終年度ではNd:YAGとNd:YVO_4レーザーの四倍波によるUV領域のOPOを試みた。 (1)OPOの励起源として、共振器内部SHGによるLD励起Nd:YVO_4マイクロチップグリーンレーザーを開発した。まず、M^2因子を用いた最適設計法を確立し、CW動作でスロープ効率%と高効率発振特性を実現した。さらにKTPE/OQスイッチを採用することにより超小型共振器構成でグリーン領域で1.5kW尖頭出力を得た。 (2)CLBOを用いてNd:YAGの四倍波(266nm)を平均出力1Wで得た。これは、BBOを用いた場合に比べ二倍程度高い変換効率である。 (3)セルマイヤー方程式を用いて小型CLBO-OPO特性を理論的に検討し、波長可変領域1PHz(10^<15>Hz、波長270-2,700nm)の可能性を得た。しかしながら、OPO実験の際100MW/cm^2でCLBOがダメ-ジを起こしたため安定発振は実現できず、上記波長可変域の実験的検証は行えなかった。 以上、本研究を実施することにより、ペタヘルツ可変光パラメトリック発振器の要素技術を確立した。
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