研究概要 |
「リアルタイムNMRイメージングによる時空間計測システム」の開発にあたっては,(1)NMR画像信号の高速な発生・制御,(2)NMR信号からのリアルタイム画像再構成,(3)NMR画像における計測精度の検証,の3つのサブテーマを設け,研究を行った.(1)に関しては,Digital Signal Processor(DSP)を用いた高速(1μs分解能)・汎用のNMRイメージング用パルスプログラマの設計を行い,高速で強力な勾配磁場を発生できる勾配コイル付高周波プローブを導入した.そして,パルスプログラマの製作とプローブの性能評価は,次年度の課題とした.(2)に関しては,二次元の画像に関して,Pentiumプロセッサを使用した高速のパーソナルコンピュータを用いることにより,リアルタイム画像再構成システムを構築することができることを実証し,その検証実験と論文発表を行った.(3)に関しては,本システムの性能を評価する系として理想的なものである「静止流体中を沈降する球体粒子」の運動を,計算機シミュレーションと基礎実験によって研究した.その結果,計測時間内の球体の運動は,球体位置のぼけではなく,球体の形状の変形を発生するのみであるので,球体位置の計測精度には影響を与えないということが判明した.さらに,本システムにおいて,リアルタイム三次元計測を行う際には不可欠となる,三次元画像表示ソフトウェアを,一般的な計算機で動作させることを目標として,Microsoft Windows95上で開発し,その有効性を確認した.
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