「リアルタイムNMRイメージソングによる時空空間計測システム」の開発にあたっては、(1)NMR画像信号の高速な発生・制御、(2)NMR信号からのリアルタイム画像再構成、(3)計測された画像データの表示・解析ソフトウェアの開発、の3つのサブテーマを設けて研究を行った。(1)に関しては、高速で強力な勾配磁場を発生できる勾配コイル付プローブを導入し、Digital Signal Processor(DSP)を用いた高速(100ns分解能)・汎用のNMRイメージング用パルスプログラマを開発した。その結果、二次元画像に対しては、32mm×32mmの画像視野において、最高80msの時間分解能を達成し、三次元画像に対しては、32mm×32mm×32mmの画像視野において、最高約10秒の時間分解能を達成することに成功した。これは、三次元画像においてこれまでに報告されたものでは、最も高速なものである。(2)に関しては、二次元の画像に関して、PentiumもしくはpentiumProプロセッサを使用した高速のパーソナルコンピュータを用いることにより、特別なハードウェアを使用しなくとも、リアルタイム画像再構成システムの構築が可能であること(128×128画素の画像再構成・表示時間約50ms)を実証した。(3)に関しては、リアルタイム三次元計測を行う際には不可欠となる、三次元画像表示ソフトウェア(サーフェイスレンダリング法によるものとボリュームレンダリング法によるもの)をMicrosoft Windows95上で開発した。さらに、(1)、(2)、(3)の成果を用いて、世界でも初めての、リアルタイム三次元NMRイメージングシステムの構成を行った。
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