1. シンクロトロン放射(SR)光を応用した高アスペクト比X線リソグラフィ(LIGA)の最適条件の把握 世界最小の超伝導小型SR光装置「AURORA」(1996年春運転開始・立命館大学)に、LIGA専用ビームラインを設置・稼働した。SR光の照射条件(強度、時間等)とレジスト加工条件を明らかにして、SR光ドーズ量3Aminで深さ200μm、また、ドーズ量32Aminで深さ1000μmのPMMAの微細構造体を実現した。 2. 高アスペクト比X線リソグラフィ(LIGA)用マスクの設計・製作 パターン設計CADシステムを用いてマスクパターンを設計し、厚さ2μmのSiCメンブレン上に厚さ5μmのAuをX線吸収材とし、最適X線露光コントラストを有するLIGAプロセス用X線マスクを製作した。本X線マスクを用い、線幅2μm、高さ200μm、アスペクト比100のPMMAレジストパターンのX線露光、現像加工およびNi電鋳を行いNiマイクロ構造体を製作した。 3. 3次元構造高出力マイクロアクチュエータの設計、試作、評価 シンクロトロン放射(SR)光を応用した高アスペクト比X線リソグラフィと電鋳を組み合わせたLIGAプロセスを用い、櫛歯電極型静電マイクロアクチュエータおよび静電ワブルモータを試作した。アクチュエータの基本構造は、Ni構造体による固定電極および可動電極、Niシードレイヤー、SiO_2絶縁層および犠牲層、そしてSi基板から構成されている。Ni構造体の高さは100μm、最小線幅2μm、最小ギャップ2μm、最大アスペクト比50である。試作した櫛歯電極型静電マイクロアクチュエータは約65Vのパルス電圧印加および静電ワブルモータは約125Vの12相パルス電圧によって駆動が確認された。
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