せん断帯の寸法効果について、これまでに3つの側面から検討した。 1.連続体レベルでは、これまで試みられることが少なかった3次元有限要素解析を実施し、せん断帯の生成・成長を検討した。ひずみ速度依存型材料を用いて、これまでの接線剛性法とは異なる解析手法を提案した。 2.結晶レベルでは、Washington State University のZbib教授を日本学術振興会外国人招聘研究者(ID No.S-95057)として協力を得て、Voronoi分割を用いて多結晶中に生成するミクロなせん断帯を能率良く解析する手法を提案し、結晶粒のサイズによる影響を検討した。さらに、規則的なハニカム型やブロック型なおの結晶形状や用いる形状関数の影響を明らかにした。 3.実験による検討であり、面心立方格子の銅を用いて引張り・圧縮荷重を加え、寸法効果を計測した。試験片のサイズを変えるだけでなく、熱処理により結晶粒径のサイズを変えた影響を計測した。また走査型電子顕微鏡を用いて内部構造を調べ、ミクロなせん断帯の生成状況を観察した。
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