大規模適応構造の自律分散型姿勢および軌跡制御法の開発と形状可変トラスの試作

1998 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 08455055
• 研究機関: 金沢大学
• 研究代表者: 山崎 光悦 金沢大学, 工学部, 教授 (70110608)
• 研究分担者: 坂本 二郎 金沢大学, 工学部, 助手 (20205769) ; SOURAV Kundu 金沢大学, 工学部, 講師 (50283148) ; 立矢 宏 金沢大学, 工学部, 助教授 (10216989) ; 田中 一男 電気通信大学, 工学部, 助教授 (00227125) ; 白瀬 敬一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (80171049)
• キーワード: 最適設計 / 適応構造 / 柔軟構造 / 自律分散制御 / 最適姿勢 / 遺伝的プログラミング

研究概要

本研究では、アクチュエータとセンサーを組み込んだ形状可変トラス・モジュールを数十段組み上げた実用的な規模の適応トラス構造の実時間での軌跡制御、姿勢制御の実現を目的として研究を進め、以下のような成果を得た。
1. 形状可変トラス構造の自律規範生成モデルの検討……可変長部材を含むトラス部分構造モジュールを直列に組立てた形状可変二次元および三次元トラス構造を対象として、種々の位置、方向の静的負荷(作業ベクトル)に対して初期姿勢からの先端の移動軌跡を与えたときに、その最適な移動過程、最終姿勢に対する各トラスモジュールの制御量、部材変形・発生応力の局所情報より各部材長の変更量を決定するための自律規範、局所的な制御則を創発的に自動生成するためのモデルを遺伝的プログラミングを利用して階層的な制御則として構築し、その得られた制御則の物理的な解釈、単純化を試みた。また最適性基準法を基礎に、複数のトラスアームが協調作業を行うときの最適姿勢の決定法を開発し、その有効性を制御シュミレーションによって確認した。
2. 形状可変トラス構造の試作と制御……昨年作成したひずみセンサーを備え、ボールネジとステッピングモータからなる可変部材ごとに独自に自律分散処理機能を有する5段の形状可変三次元トラス構造に更に改良を加えてモデルの理想化を図った。まず与えられた先端位置に適応構造の姿勢を変更する制御、および負荷方向に対して最大剛性姿勢に姿勢変更する制御を試みて基本的な可能性を確認した。さらに複数のCPUによってそれぞれ独立に制御する自律分散型の制御アルゴリズムを複数作成してそれらアルゴリズムの有効性を実験的に検証した。

研究成果

• [文献書誌] K.Yamazaki,S.Kundu,M.Hamano: "Genetic Programming Based Learning of control Rules for Variable Geometry Structures" Proceedings of the 3rd Annual Genetic Programming Conference. 412-415 (1998)
• [文献書誌] 山崎光悦,S.Kundu,浜野道知: "遺伝的プログラミングによる形状可変トラス構造の自律分散型姿勢制御の獲得" 日本機械学会論文集,C編. 64-621. 1715-1721 (1998)
• [文献書誌] K.Yamazaki,S.Kundu,M.Hamano: "Genetic Learning of Distributed Control Rules for Posture Adaptation of Variable Geometry Trusses" Proceedings of the 39th AIAA/ASME/ASCE/AHS/ASC structures,structural Dynamics and Material Conference. 2708-2717 (1998)
• [文献書誌] 立矢宏,秋野晋也,竹内政紀,須賀智昭: "異形式のパラレルメカニズムからなる6自由度空間ハイブリッドメカニズム" 日本機械学会論文集,C編. 64-627. 4353-4360 (1998)
• [文献書誌] K.Shirase,H.Narita,H.Wakamatsu,E.Arai et al.: "PC Based Virtual Machining Simulator for Autonomous and Intelligent Machine Tool" Proceedings of the 1998 JAPAN-USA Symposium of Flexible. 1281-1288 (1998)