研究概要 |
本研究は,異方性複合組織を有する3種類の代表的な合金,ニッケル基鋳造合金Mar M247LC(DS材),メカニカルアロイング合金MA754(酸化物分散強化型)および金属間化合物TiAl(ラメラ組織)に関して,高温強度を支配する主要な因子(結晶方位,結晶粒界,異相界面,分散・析出物等)を検討することで,高温強度特性の発現を合理的に行うことを目的とし,以下の検討を行った. 1.一方向凝固ニッケル基鋳造合金Mar M247LC,酸化物分散型メカニカルアロイング合金MA754および金属間化合物TiAlの各材料に関して,平滑丸棒試験片を用いた途中止めクリープ疲労試験を実施し,微小き裂の発生,成長挙動を観察した.特に,高温強度特性の発現に大きく寄与すると考えられる結晶粒界,デンドライト相,ラメラ組織と微小き裂の発生位置,伝ぱ経路の関係に着目し,詳細な観察を行っている.次年度は,得られた結果を統計的に処理することにより,高温強度特性を効率的に向上させる方法について検討する予定である. 2.本研究では,複合組織を形成している結晶粒界,ラメラ等の微視組織と疲労強度特性の関係について検討するため,微視組織の影響がより大きく現れ,その影響がより明確に評価できる微小試験片を用いて疲労試験を実施する.現在,新規購入した微小荷重負荷および微小変位測定が可能な試験機のセットアップを行っている.次年度は,本試験機を用いて疲労き裂伝ぱ試験を実施する予定である.
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