研究課題/領域番号 |
08455060
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松本 英治 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (30093313)
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研究分担者 |
琵琶 志朗 京都大学, 工学研究科, 助手 (90273466)
星出 敏彦 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教授 (80135623)
柴田 俊忍 京都大学, 工学研究科, 教授 (40025929)
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キーワード | 音弾性 / 磁気音弾性 / 非破壊評価 / 応力測定 / 超音波 / 磁性体 / 損傷 / 磁気ひずみ |
研究概要 |
多くの構造材料が磁性体であることに着目して、その磁気音響効果を利用して応力と損傷の非破壊評価法を開発することが当研究の目的である。 1.材料の弾性的な性質と磁気的な性質、あるいはその相互作用を利用して応力や損傷を行う場合の基礎的な関係式を導いた。すなわち、非線形磁気弾性体の基礎式から、予め磁場や変形がある場合の磁化曲線や磁気ひずみ、あるいはその応力依存性を理論的に導いた。さらに、鉄鋼材料およびニッケルに対する実験結果をよく表現していることを確かめた。この理論と実験の比較から、材料の磁気弾性的なパラメータが決定できて、磁気音弾性による応力測定にひつような磁気音弾性定数を決定することが可能となる。 2.横波超音波の速度を測定することによって、応力や磁化の方向や大きさを推定する方法を開発した。材料の異方性によって音響異方性が生じ、横波超音波の振動方向を回転することによって、その速度分布が得られる。その極値が異方性の軸となる。この材料に応力が加えられている場合に、音響異方性は材料の異方性を応力異方性の和となる。したがって、横波超音波の振動方向による速度変化から、前述の材料の異方性による速度変化を差し引けば、応力による効果だけを測定することが可能となる。この方法によって、従来異方性によって応力測定に大きな誤差が生じていた音弾性法が改善できる。同様の方法によって、異方性がある材料の磁場下の材料の磁化の方向や大きさが、より精密に測定できるようになった。これらの方法を利用して、材料に異方性がある場合でも精密な磁気音弾性法が可能となることが期待できる。
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