研究課題/領域番号 |
08455068
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
長尾 高明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80010685)
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研究分担者 |
光石 衛 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (90183110)
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キーワード | 超精密加工 / 硬脆材料 / 延性モード切削 / 真空中加工 / 応力場制御 / ガラスの加工 / 酸化マグネシウムの加工 / クラック |
研究概要 |
情報機器に関連する技術、すなわち、コンピュータの実装技術や半導体製造技術、磁気ディスクや光ディスク装置等に必要な技術は超精密で微細なものになってきている。このような中で、シリコンやガラスなどそれらの技術に密接に関わる材料の加工技術が必要とされている。 本研究では、本年度は、電子顕微鏡下で観察しながら加工や測定が行なえる機械を用いて、硬脆材料の圧子による引っかきに関する実験を行なった。硬脆材料として非晶質であるガラスをダイヤモンド圧子で引っかいた時の脆性破壊の様子を動的観察に基づく実験を行なった。また、真空中と大気中での環境の違いによるクラックの発生状態の変化を調べた。さらに、クラックの発生について応力場に注目することでクラックの進展特性を調べ、応力場を変化させることによるクラック進展を制御することを試みた。 ガラスの場合、発生するクラックは3種類あった。クラック1は引っかき中に圧子の進行方向に対して、前方もしくは斜め前方に発生する線状の縦割れである。クラック2は引っかき中に、圧子の進行方向に対して横方向に発生し、比較的短時間のうちに試料表面から欠落してします円弧状の割れである。クラック3は、引っかき中あるいは引っかき停止後に、圧子の進行方向に対して横方向に徐々に発生、成長し欠落せずに残っている貝殻状の割れである。単結晶酸化マグネシウム(MgO)に関しては{100}<100>、{110}<100>の2方向についておこなったが、{100}<100>に関して特徴のあるクラックの生じ方となった。試料表面に平行なクラックは、MgOのへき開面によるものと考えられる。 また、真空中と大気中での環境の違いによるクラックの発生状態の変化を調べ、実験により、真空中の方が摩擦係数が大きくなっていることを確かめた。 さらに、応力場に注目することで、引っかき方向前方に引張り応力を与えることでクラックを制御することを提案した。
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