研究課題/領域番号 |
08455071
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
新野 秀憲 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (40196639)
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研究分担者 |
橋詰 等 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (50218400)
稲場 千佳郎 東京工業大学, 工学部, 助手 (10223231)
割澤 伸一 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (20262321)
伊東 誼 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016441)
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キーワード | 工作機械 / FMS / 高度機能集積形主軸 / 二層主軸 / 超音波 / インプロセス計測 / 軸受予圧 / 結合部 |
研究概要 |
本年度が最終年度であることから、研究代表者及び分担者は平成8年度に引き続いて高度機能集積形主軸構造の構築に関する研究を遂行し、以下のような新たな知見を得た。 (1)工作機械主軸系、特に主軸の運転時の挙動に大きな影響を与える因子でありながらこれまでほとんど明らかにされていない軸受結合部の接触圧力に着目し、その計測に超音波を利用する方法を提案した。そして、運転時における結合部の接触圧力及び等価はめあい公差を推定した結果と主軸の挙動とを比較検討した結果から、本方法の有効性を明らかにした。 (2)軸受結合部の接触圧力を外部から制御することを目的として、平成8年度に提案したテ-パ結合型軸受ハウジングを組み込んだ主軸系を製作するとともに、実験面での詳細な検討を行った。その結果、本機構によって、軸受支持剛性のアクティブ調整が可能であることを明らかにした。 (3)軸受の結合部挙動の重要な役割を果たす軸受予圧に着目し、主軸運転時における軸受予圧荷重の変化をインプロセスで計測する方法を提案した。そして、これまで経験的に知られているのみであった「なじませ回転」の効果や、軸受予圧荷重と主軸の軸方向変位との対応関係を具体的に評価できたことから、提案した計測方法の有効性を明らかにした。 (4)以上の基礎的研究を踏まえ、高度機能集積形主軸構造の一つと考えられる二層主軸構造を対象として、その主軸系モデルを製作するとともに、各種運転条件における構造各部の熱的・力学的特性を明らかにした。その結果、本構造の熱的・力学的特性は、基本的に内主軸系熱システムと外主軸系熱システムとの間の熱的バランスにより決定されること、またこの熱的バランスの形成には、主軸系内に存在する空隙部の温度挙動が大きく影響することを指摘し、これらの実験結果を、構成要素間の熱移動を記述した熱的相関モデルを用いて解析面からも確認することができた。
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