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1点接触のモノパッド形コンタクトスライダの跳躍振動および動的接触力解析研究と2つの浮上面を有し後端に1つの接触記録パッドを有する3パッド空気膜混成形コンタクトスライダの跳躍振動および摩擦励起自励振動に関する理論的および実験的研究を行い、以下のようにコンタクトスライダの動的接触現象の基本特性と完全接触追従条件と安定走査条件を明らかにした。
(1)モノパッド形スライダの跳躍振動と動的接触力を接触剛性・減衰およびスライダ質量を大きく変化させて解析し、跳躍振動を抑制するには接触剛性を小さくする必要があるが接触剛性を小さくすると接触面積が小さくなり摩耗信頼性が低下することから、追従性と摩耗信頼性の両条件を満たす接触パッド形状が存在することを明らかにした。
(2)実ディスク表面のスペクトルを模擬し、かつヘルツ接触を仮定した1自由度スライダのシミュレーション結果は、モノパッド形スライダの実ディスク表面に対する跳躍振動特性と定量的によく一致することを明らかにした。
(3)空気膜反力をスライダ前後に支持点をもつ空気膜ばねに仮定した3パッド空気膜混成形コンタクトスライダの2自由度モデルと調和うねりディスク表面モデルを用いて、接触剛性・減衰、摩擦係数および前後の空気膜剛性を大きく変化させ、スライダの固有振動モードにも注目して跳躍振動解析を行い、(a)接触剛性を10^5N/m程度に小さく、接触減衰比を0.1程度に大きく、また前側空気膜剛性を10^3N/m程度に小さくし、後側のそれを10倍程度にすれば跳躍振動が生じない、(b)0.3程度の接触パッド・ディスク面間の摩擦係数は跳躍振動にほとんど影響しない、(c)(a)の条件下では磁気ヘッドを有するスライダ後端接触パッド部の振動は等価的な1自由度振動とみなせることを明らかにした。
(4)3パッドコンタクトスライダの自励振動現象を支持部を弾性片持ち梁とした多自由度モデルで解析し、そのメカニズムと安定走査条件を明らかにすると共に、後端に接触パッドを有する空気膜混成形スライダは本質的に安定であることを示した。
(5)新たに空気軸受けスピンドルおよびスライダ取付け微動台をもつ実験台を製作し、レーザードップラー振動計、FFTアナライザおよびクリーンブ-スからなる実験装置を製作した。供試3パッドコンタクトスライダを2.5インチディスク上で接触走査させたときの振動を測定分析し、(4)で示した安定領域において自励振動が生じないことを確認した。
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