本研究では、はく離の渦構造解明、はく離の前兆捕捉、制御用アクチュエータの開発および特性解明を主に行った。定常はく離のオープンループ制御を行い、円柱後流をはく離せん断層に作用させることでディフューザ内のはく離をうまく制御できることを見いだした。これに平行して、3次元物体からの3次元はく離流れの渦構造解明に関する研究を行い、周方向の曲率半径の変化が近傍後流の特性に大きな影響があることを見いだした。また、制御用デバイスの運動量輸送媒体としての渦輪の特性に関する研究を行い、それを用いた薄翼上のはく離の制御にそれを用いることができることを示した。さらに、この渦輪自体の遷移過程を明らかにし、渦輪の軌道把握に対する新たな知見を得た。本研究の成果は環境に及ぼす騒音問題に寄与できるものと期待できる。
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