研究課題/領域番号 |
08455095
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
谷下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10101776)
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研究分担者 |
山田 寛幸 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90182550)
松村 伸治 浜松医科大学, 助手 (70276393)
池田 満里子 慶應義塾大学, 文学部・生物学, 教授 (00051368)
岡 浩太郎 慶應義塾大学, 理工学部, 講師 (10276412)
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キーワード | 動脈内皮細胞 / ミクロ流れ / リモデリング / 物質取り込み / メカノレセプター / 力学適応 / せん断応力 |
研究概要 |
動脈硬化をはじめとする血管病変は、太い動脈において特定な部位に生ずるため、血液流との関連が指摘され、とくに血液と直接接触する動脈内皮細胞の物質透過性が壁面せん断応力によって影響を受ける事実が最近知られて来た。内皮細胞は、血流に対する力学的適応によって形状を変えたり、カルシウムなどの物質を分泌するなどの機能を持つことが最近の研究で明らかになっている。そこで本研究は、内皮細胞及び血管壁内の物質輸送機能が、細胞周りのマイクロ流れによってどのような影響を受けるかを調べるため、培養内皮細胞における酸素および高分子物質の透過の様子を微小酸素電極および共焦点レーザー顕微鏡によって調べ、細胞レベルに関するマイクロバイオメカニクス的性質及び血管病変発生に関する病態生理的性質を明らかにする事を目的とする。 平成8年度では、実際の培養内皮細胞の3次元的な形状をレーザー共焦点顕微鏡により取り込み、その形状データをもとに3次元光造形装置により、100倍大きい細胞モデルを作成した。この細胞モデルの回りの微小流れを顕微鏡下で、粒子の流跡を追跡することにより流速ベクトルを求める方法によって、細胞近傍の微小流れの流れ場を定量的に把握することが出来た。その結果、細胞流れを負荷したとき、細胞は流れ方向に伸長及び配向するが、細胞の頂上での剪断応力は、配向することによって軽減することが解った。このような細胞近傍の微小流れの計測によって、今後、細胞機能と流れによる刺激との局所的対応をつけることが可能となり、さらに研究を継続している。
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