研究課題/領域番号 |
08455096
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
大場 謙吉 関西大学, 工学部, 教授 (30029186)
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研究分担者 |
桜井 篤 関西大学, 工学部, 助手 (50162334)
板東 潔 関西大学, 工学部, 助教授 (70156545)
浦上 忠 関西大学, 工学部, 教授 (80067701)
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キーワード | 血管壁と血液の相互作用 / 体外力学モデル / 模擬血管 / 模擬血液 / 流れの乱流抑制 / 脈波伝播 / コラプシブルチューブ内の流れ / 数値シミュレーション |
研究概要 |
(1)動脈血管を生体外で模擬した弾性ゴム管(内径6mm、肉厚1mm)に、報告者らが開発し、実際の血液と同じレオロジー特性を持つことが実証されている模擬血液(模擬赤血球としてのアルギン酸ゲル製の柔軟弾性微粒子と水との体積濃度30%の高濃度分散液)を定常的に流し、LDVを用いて管断面内、とくに管壁近傍の流速分布を測定し、血液のカッソン流体的性質と混相流体的性質の影響を調べた。その結果、まず、模擬血管と同一内径の剛管内の発達流について、層流の場合は、ニュートン流体の放物線分布の中央部が押さえつけられたような流速分布を呈した。一方、乱流の場合はニュートン流体の1/7乗則よりも全体に丸みを帯びた分布を呈し、対数速度分布で見るとニュートン流体の場合よりも乱流コアにおける速度分布の傾きが大きくなり、すなわちカルマン定数が小さくなり、乱流が抑制されていると推測できた。次に、模擬血管内の発達流については上記の傾向がさらに強まり、乱流の抑制がさらに強くなっていると推測された。 (2)拍動血流・弾性血管壁相互作用が血管全体にわたって現れた現象である大動脈内の脈波の伝播を、生体外で液体で満たされた薄肉ゴム弾性管(コラプシブルチューブ)内の単独波の伝播によって模擬し、補正した静的チューブ則と非定常粘性摩擦項を持つ一次元流れの微分方程式を連立させて数値シミュレーションを行い、実験結果と比較した。その結果、チューブの座屈点近傍におけるチューブ則の補正により実験結果と計算結果はよく一致し、また管を満たした液体の粘性が高い場合は非定常粘性摩擦項を考慮する必要があることが明らかになった。
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