研究課題/領域番号 |
08455101
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
日向野 三雄 東北大学, 流体科学研究所, 助手 (50006201)
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研究分担者 |
円山 重直 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (80173962)
宮下 博理 東北学院大学, 工学部, 助教授 (50118337)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 熱物性 / 熱測定 / 熱量計 / 示差走査熱量計 / 熱機能材料 / 比熱 / 低温 / データベース |
研究概要 |
本研究の目的は、宇宙船、宇宙基地などの熱設計、熱管理に不可欠な宇宙用熱機能材料の低温比熱を示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter.DSC)で高精度測定することである。また、測定データをそれら材料の熱機能性の解明や、熱物性データベースの構築に役立てることである。以上に、2年間に渡り低温型DSCを使用した実験的研究成果を要約する。 まず、購入した液体窒素冷却式入力補償型DSCの性能試験をした。温度および熱量校正に続き、比熱の標準物質のアルミナによってDSCの最適走査速度を決定した。また、同じく標準物質の銅の比熱を、90Kから室温付近までの温度範囲で、繰り返し精密測定した。その結果から、高精度測定するためのDSCの操作条件などを詳しく検討した。また、宇宙用熱機能材料の代表として、熱電対用合金のコンスタンタンの比熱を低温測定した。組織分析し、真空焼鈍した試料の比熱データを、様々な測定法による結果や、組成の異なるコンスタンタンのデータと比較、検討した。その結果、 (1)入力補償型DSCは応答性が非常に速く、低温比熱測定に好適なこと、(2)低温比熱測定では、昇温プロセスが好適で、最適走査速度が存在すること、(3)最良と思われる測定では、銅の比熱が基準値に±4%以内で一致すること、(4)従ってDSCは、低温域での比熱測定でも十分な性能を発揮すること、(5)コンスタンタンの比熱データは、別の測定法の結果と-3%から+6%で一致すること、などが分かった。 これらの成果を基に、今後は多種の宇宙用熱機能材料の低温比熱データを収集する予定である。
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