研究課題/領域番号 |
08455104
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
飯田 嘉宏 横浜国立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90005299)
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研究分担者 |
高島 武雄 横浜国立大学, 工学部, 助手 (40197091)
奥山 邦人 横浜国立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60204153)
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キーワード | 沸騰伝熱 / 急速沸騰 / 揺らぎ核生成 / 自発核生成 / 急速蒸発 / マイクロアクチェエーター / 微小伝熱面 / 気泡挙動 |
研究概要 |
本研究は、微小な導電性伝熱面を高速に通電加熱した際の急速沸騰による液・気相変化を利用したマイクロアクチュエータの開発や性能評価に不可欠な、気泡発生・成長・消滅の基礎的データを得る目的を持つ。実験は、長さ0.25mm、幅0.1mmの試験部を持つ平面伝熱面についてと、直径0.02mmの細線伝熱面について行った。共に伝熱面を従来にない程の高速で加熱しつつ伝熱面温度を高精度に測定し、気泡挙動と伝熱挙動を詳細に計測し解析することが特徴である。このため特に高性能な電子機器類や顕微鏡撮影装置を使用した。微小平面伝熱面では、最高2.6x10^8K/sの平均加熱速度まで実験し、気泡発生温度、発生気泡数密度の変化、合体過程、気泡成長過程、同消滅過程について多くのデータを得た。液体によるが、約1x10^7K/s以上の加熱速度では、揺らぎによる核生成が主体と結論した。核生成後の気泡挙動と伝熱挙動の全体像および両者の関連を明らかにした。また、一旦核生成が生じたあとの伝熱気泡挙動は加熱継続時間に無関係なこと、平均加熱速度が大きくなると気泡最大径が減じてくることなどを示した。さらに液温の影響を明らかにした。細線伝熱面では、蒸気膜挙動が特に正確に観察された。 以上の実験結果から、高速加熱下では加熱開始までに液体に伝わった熱による過熱層か気泡発生に関与するものと結論し、過熱液層蒸発モデルを提案した。本理論モデルによって実験結果を比較的良く記述できることを示した。
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