研究課題/領域番号 |
08455107
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
廣安 博之 広島大学, 工学部, 教授 (40034326)
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研究分担者 |
清水 正則 近畿大学, 工学部, 教授 (30140320)
小田 哲也 鳥取大学, 工学部, 講師 (50253109)
吉崎 拓男 広島大学, 工学部, 助手 (30240881)
西田 恵哉 広島大学, 工学部, 助教授 (90156076)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | NOx / 噴霧 / 燃焼 / スプリット噴射 |
研究概要 |
ディーゼル機関の燃焼は、燃料噴霧が燃料-空気の混合気形成過程を経て、着火・燃焼する複雑な過程を経て行われており、燃料噴霧の混合気形成に関係するパラメータが着火・燃焼を支配している。すなわち、機関出力性能・排気特性を支配する第一の要因は混合気形成であり、混合気形成過程を制御し、最適化することが高効率・低公害の噴霧燃焼を実現するための主要な方策であると考えられる。 そこで本研究では、燃焼室内のディーゼル燃料噴霧の時間的・空間的配置を変化させ混合気形成過程をコントロールすることにより、有害排出物、特にNOxを低減させる最適値を見つけ、有害排出物の低減手法を見出すことを目的とし、以下に示す3つの方法で研究を行った。 1.ディーゼル機関性能や排気特性を表現できる噴霧パッケージモデルを開発し、そのモデルを使用し、燃料噴霧を時間的・空間的に配置させ、機関出力性能・排気特性の予測を行った。その結果、燃料噴霧を時間的・空間的に燃焼室に配置させる機関出力性能・排気特性をともに向上する可能性がある手法が確立された。 2.燃料室内に時間的に燃料噴霧を配置できるスプリット噴射について、噴霧特性として自由噴霧、平板衝突噴霧の噴霧先端到達距離、そしてディーゼル機関燃焼室内でのスプリット噴射噴霧の混合気形成過程、以上の二つの事項について、予測を行った。その結果、スプリット噴射の噴霧特性、燃焼室内での混合気形成過程が解明された。また、上記の項目1.で行われた燃料噴霧の時間的配置による計算結果と比較することにより、モデリングによる噴霧挙動の数値計算結果の妥当性が把握された。 3.複数ノズルにより燃焼室内に比較的均質に燃料噴霧を配置させ、それが機関出力性能・排気特性におよぼす影響について調査を行った。その結果、燃料噴霧の空間的配置によっては機関出力性能・排気特性を同時に向上させることが可能であることが分かった。また、上記項目1.で行われた燃料噴霧の空間的配置による計算結果と比較することにより、モデリングによる噴霧燃焼過程の妥当性が把握された。 以上のように本研究では、機関出力性能・排気特性をともに向上させる噴霧燃焼の方策を見出すために、燃料噴霧の時間的・空間的配置を変化させ、高出力化および有害排出物の低減化に関する研究を進めてきた。これらにより、今後のディーゼル機関の開発を行う際の指針を得ることができたと考える。
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