本研究は昨年までに、高温超電導浮上体の非線形復元力を求める理論計算式を導出し、それをを適当なモデリングにより簡単化する方法を示すとともに非線形性を考慮した周重み付き最適フィードバック制御の方法を開発した。 また、上記の非線形性を考慮したモデリングの方法を用いて高温超電導浮上ラジアル・スラスト軸受の制御法を検討した。本年度はそれらの研究をさらに発展させ、高温超電導浮上パルスモータの開発を行った。その具体的内容を列記すると (1) 比較的小さな超電導体一個を軸下端に取り付け、上端を永久磁石で支持する方法を提案した。この方法の特徴は軸方向を超電導体のピン留め力で安定化し、軸直角方向は永久磁石の吸引力で安定化させている。 (2) 円周方向に鉄片を有するロータ円板を浮上軸に取り付け、その直下に電磁石を6個配置し、鉄片と磁石間の吸引力で、軸の振動を安定化させることにより、無制御で安定に回転するパルスモータの駆動方法を開発した。 (3) 上記の電磁石に、振動制御の電流を印可することにより、さらに振動を低減することを考え、その制御法として、ロータ円板の変位をを評価関数とし、それを最小とするような最適制御法を与えた。 (4) 上記の実験を行い、浮上システム、モータシステム、振動制御法等が妥当であることを明らかにした。
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