研究概要 |
タイヤ上下方向1次モードによる多角形摩耗の発生メカニズムを接地面内でのタイヤ摩耗量が1回転後には上下方向振動に強制変位としてフィードバックされる時間遅れ系としてモデル化することにより解析し,実験結果と解析結果の非常によい一致を確認した.タイヤの多角形摩耗はパターンが正多角形となること,発生領域はタイヤ系の固有振動数<タイヤの角係数×タイヤ回転数を満たすある限られた領域に存在することを明らかにした. 芯なし砥石による工作物の研削過程での工作物の多角形化現象を工作物の慣性力を考慮し,工作物と調整砥石,研削砥石および受板の接触による研削および摩擦を伴う時間遅れ系として振動モデルを構築し,数値計算を行った.その結果,工作物および砥石系のいずれの固有振動モードでも発生可能であること,発生領域は系の幾何学的配置および接触点の時間遅れ効果に支配されること,調整砥石との接触点において時間遅れ効果を考慮すると,心高角の大きさに依存して発生領域の広さに周期性が現れること,一方,受板との接触点において時間遅れ効果を考慮すると,研削砥石と受板の相対位置に関係して発生領域の広さに周期性が現れること,砥石系の固有モードから生じるパターン形成の角係数は砥石系の固有振動数【approximately equal】工作物の角係数×工作物の回転数の関係があり,調整砥石の時間遅れ効果から生じるパターン形成の角係数は(π/心高角)付近の偶数角形が発生しやすいことを明 ドリルによる穴あけ行程で,穴が多角形化する現象を解析するための切削モデルおよびパターン形成モデルを考察し,解析を試みた.しかし,現段階では結果を簡潔に述べることはできない.さらなる考察が必要であると考える.
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