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1997 年度 実績報告書

新型極低温管路気中送電方式における絶縁特性の基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 08455126
研究機関東京大学

研究代表者

日高 邦彦  東京大学, 工学系研究科, 教授 (90181099)

研究分担者 松岡 成居  東京大学, 工学系研究科, 助手 (10114646)
千葉 政邦  東京大学, 工学系研究所, 助教授 (20011140)
キーワード極低温 / 放電 / 高電圧 / 空気 / 窒素 / 絶縁 / パッシェンの法則 / 電荷量
研究概要

極低温空間の絶縁特性を明らかにし、高温超電導送電線路や機器のガス絶縁に対する基礎資料を提供することを目的として研究を行っている。クライオスタットによって実現できる極低温空間(-180℃)を利用し、本年度は不平等電界ギャップである棒対平板電極の雷インパルス火花電圧特性を詳細に検討すると共に、従来ほとんどデータがなかった10cm以上の平等電界ギャップにおける極低温領域の火花放電特性を測定し、パッシェンの法則が成立するかどうかの検証を行った。結果は以下の通りである。
1.雷インパルス電圧を印加した不平等電界ギャップでは、ストリーマ発生と同時に火花放電に移行する場合(直接火花破壊)と、ある時間遅れが存在する場合がある。
2.直接火花破壊の場合には、50%火花電圧が高電圧電極の先端半径の増大と共に上昇する。時間遅れが存在する場合には、ストリーマは電極間を橋絡した後、残留ストリーマチャトルネルとして継続的に電流を流す役目を果たし、数μsの時間をおいて火花放電に移行する。この場合、50%火花電圧と電極先端半径の大きさとの間に相関はない。
3.ストリーマ発生に伴う放電電荷量とストリーマが発生する瞬時の印加電圧との間には一対一の関数関係が成立し、一本の曲線として表せる。この電荷量と瞬時印加電圧の関係を示す特性曲線は、室温から極低温に変化するとより高電圧側に変移することを見出した。これが極低温領域での50%火花電圧の増加をもたらす原因となっている。
4.球対球電極で作られる平等電界中の、直流、交流、雷インパルス電圧に対する火花電圧はギャップ長10cm以下の領域ではギャップ長に対して直線的に上昇し、10cmを越えると飽和する傾向が現れる。直線的に上昇する範囲では、極低温領域においてもパッシェンの法則が成立することを検証することに成功した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 赤峰陽太郎: "極低温における空気および窒素の不平等電界雷インパルス放電特性" 電気学会論文誌. 119-A・5(掲載予定). (1998)

  • [文献書誌] Y.Akamine: "Gaseous Insulation Characteristics at Cryogenic Temperature" Proceedings of the International Conference on Electrical Engineering. 1. 407-410 (1997)

  • [文献書誌] Y.Akamine: "Analysis of Breakdown Phenomena in Non-Uniform Fields at Cryogenic Temperature" Proceedings of 12th International Conference on Gas Discharges and their Applications. 1. 224-227 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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