研究課題/領域番号 |
08455132
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
水谷 照吉 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70023249)
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研究分担者 |
兼子 一重 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (70135309)
森 竜雄 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (40230073)
鈴置 保雄 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (10115587)
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キーワード | 直流ケーブル / 絶縁材料 / 空間電荷 / ポリエチレン / 絶縁破壊 |
研究概要 |
本研究は超高電圧固体絶縁直流電力ケーブル開発を進めるに際して重要となる高分子絶縁材料中の空間電荷分布計測システムの確立、空間電荷挙動の解明および直流ケーブル用絶縁材料開発のための指針を得ることを目的として実施され、本年度の主な研究成果は以下のようである。 1.パルス静電応力法を用いた空間電荷分布計測装置を試作するとともに、信号処理のためのコンピュータソフトを開発した。このシステムを電力ケーブルの絶縁材料であるポリエチレンに適用し、空間電荷分布が計測できることを実証した。 2.従来から使用しているレーザ誘起圧力波法を用いる空間電荷分布計測システムの高性能化を図るため、電極構成と検出回路の改善を実施した。 3.ポリエチレンの絶縁性能と固体構造、分子構造との関連を詳細に調べ、実用上重要な高温領域の絶縁性能がポリエチレンの密度の増加とともに向上することを明らかにした。また、二重結合、末端メチル基、カルボニル基の濃度と絶縁性能との関連を調べ、ポリエチレンの絶縁性能改善のための手法について検討した。 4.新規触媒を用いたポリエチレンの絶縁性能を調べ、従来のチ-グラー触媒を用いたものに比し絶縁性能が優れていることを示し、それが固体構造の差に起因することを明らかにした。また、この新規ポリエチレンの空間電荷の量が少ないことを実験的に明らかにし、直流電力ケーブル用絶縁材料として適していることを示した。
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