研究課題/領域番号 |
08455136
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
原 雅則 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 教授 (30039127)
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研究分担者 |
今坂 公宣 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助手 (40264072)
末廣 純也 九州大学, 大学院・システム情報科学研究科, 助教授 (70206382)
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キーワード | 超伝導マグネット / クエンチ / 極低温 / 冷媒液体 / 熱気泡 / 部分放電 / 放電電荷量 / 浸漬冷却 |
研究概要 |
本年度は、超伝導マグネットのクエンチ時の極低温冷媒液体の絶縁破壊特性と部分放電特性の解明並びに超伝導マグネットの耐電圧向上法の基礎確立を目的として研究を行った。 以下に得られた主な結果を示す。 1.クエンチ時に液体窒素中に発生する熱気泡と超伝導コイルの絶縁テープ被覆が破壊特性に与える影響について検討し,気泡のサイズがギャップ長と同程度のときには破壊電圧が窒素ガスのレベルまで急激に低下することを示した。また、コイルに絶縁テープ被覆があるときには、テープ上に放電痕が存在するとギャップ長が大きいときでも窒素ガスのレベルまで低下することがわかった。 2.極低温(77K)と室温(275K)における固体絶縁物の部分放電特性について検討し、温度の低下とともに放電電荷量のばらつきが大きくなること、また極低温では放電電荷量が印加電圧とともに急激に増加することを明らかにした。 3.液体窒素中に存在する極低温窒素ガスおよび熱気泡が部分放電特性に与える影響について検討した。その結果、部分放電は印加電圧の瞬時値に対応した直流コロナモードに従うことがわかった。また、液体窒素の加圧に伴う気泡の消滅により、部分放電の発生数が減少することを明らかにした。 4.浸漬冷却超伝導コイルの絶縁設計法を提案し、コイル内の絶縁距離に影響を与える主要なパラメータが、クエンチ保護回路動作までの遅れ時間、クエンチ保護時のエネルギー放出特性、コイル初期電流、コイルインダクタンス、導体の寸法と形状および絶縁裕度であることを示した。
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