研究課題/領域番号 |
08455137
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
阿部 正紀 東京工業大学, 工学部, 教授 (70016624)
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研究分担者 |
白崎 文雄 東京工業大学, 工学部, 教務職員
北本 仁孝 東京工業大学, 工学部, 助手 (10272676)
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キーワード | フェライトメッキ / マグネタイト / フェライトカプセル球 / 超音波 |
研究概要 |
FeCl_2水溶液(500ml)中に直径0.25μmおよび4.5μmポリスチレン微小球を分散させ、強力超音波(19.8KHz,600W)を印加しながら、マグネタイト(Fe_3O_4)のフェライトメッキを行った。超音波を印加しないと、直径0.25μm上の球上には、島状もしくは部分的にしかフェライトコートできなかったが、超音波印加により、球の表面全域をフェライトでおおいカプセル化することに成功した。透過型電子顕微鏡による観測の結果、超音波印加して得られたフェライトコートの結晶粒は単結晶であるが、印加しないで得られた場合には多結晶粒界に分かれており、従って超音波によって結晶性が改善されたことが明らかにされた。直径4.5μmの球上には、超音波を印加しなくても表面全域をフェライトカプセル化することができたが、メッキの初期過程を走査型電子顕微鏡で観測した結果、超音波を照射したときには、表面全体を覆うようにフェライト粒子が成長し融合していくが、照射しないときには、表面上にまばらに成長していくことがわかった。 ガラス基盤を上記の実験に用いた装置内でFe_3O_4のメッキを行ったところ、膜堆積速度は〜2nm/minと非常に遅かったが、容器の容積を1/50の10mlにして、同じ出力(600W)の超音波を用いたところ、膜堆積速度は10倍の〜20nm/secとなった。さらに、このガラス基板自体をウィンド-とし、外部からキセノランプ光を照射したところ、堆積速度が5倍程度増加することが確かめられた。 以上のとおり本年度は、超音波励起により、フェライト膜の結晶性が向上し、また光励起による局所加熱効果で膜堆積速度が向上することを明らかにすることができた。
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