研究課題/領域番号 |
08455140
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
畑中 義式 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (60006278)
|
研究分担者 |
中村 高遠 静岡大学, 工学部, 教授 (10022287)
中西 洋一郎 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (00022137)
神藤 正士 静岡大学, 工学部, 教授 (60023248)
|
キーワード | ワイドギャップ半導体 / リモートプラズマ / CVD / 有機シリコン / SiC / SiN / SiO2 |
研究概要 |
本年度の研究は高品質ワイドギャップシリコン系半導体及び絶縁膜作製を行った。従来これらの薄膜作製にはシリコン原料としてすべてモノシランを用いてその反応性によりSiとの化合物を作ってきたがモノシランの危険性や、作製された膜の段差被覆性の問題を解決するために、骨格となる化合物の分子骨格を持つモノマーを原料として出発し、それをラジカルと反応させつつ、求める骨格を残して薄膜化する方法を作り出すことを検討した。 この実現のため、リモートプラズマCVD法を用いた。リモートプラズマCVD法はプラズマ生成部と薄膜体積部とが分離していて、プラズマで発生したラジカルのみを堆積部に導いて反応させることができる。また必要に応じて、プラズマで生成したイオンや強力な紫外線を照射しながら堆積を行うこともできるため、薄膜の結晶性など品質の改善や反応過程の詳細な解析ができる。この結果、用いるラジカルの励起のレベルが高いものを用いると、反応に消費されるエネルギーが多く得られ、低い基板温度でも高い基板温度の時と同じ効果が得られることがわかった。また、各種有機シリコンと各種ラジカルの反応過程の検討により、目的とする高品質ワイドギャップ材料の堆積のために最適な有機原料を究明することもできる。本年度の研究ではヘキサメチルジシランからSiC薄膜が、また、トリスジメチルアミノシランを用い、水素ラジカルと窒素ラジカルを同時に照射しながら堆積することにより良質のSiN薄膜が堆積できることがわかった。さらに、ECRリモートプラズマCVD法によりSiC薄膜をプラスチック基板上へ堆積したところ、プラスチック表面硬度の向上、紫外線による劣化防止に有効であることもわかった。
|