研究課題/領域番号 |
08455141
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
中西 洋一郎 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (00022137)
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研究分担者 |
澤田 和明 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (40235461)
中村 高遠 静岡大学, 工学部, 教授 (10022287)
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キーワード | ディスプレイ / エレクトロルミネッセンス(EL) / ホットエレクトロン / MOSFET / 集積化 / 薄膜 / 硫化亜鉛(ZnS) |
研究概要 |
薄膜EL素子が優れた画像品質を示すとともに、全固体型という特長を有していることから、超微細加が可能であり、従ってEL素子の集積化による超高精細化が期待される。しかし、EL素子の集積化を達成するためには、駆動電圧を低くすることが不可欠である。本研究では、申請者らが既にp-Si基板上に形成したホットエレクトロン注入型溥膜EL素子により駆動電圧の低減化が達成されることを実現しており、このことを利用して、同一Si基板上に発光素子部と駆動回路部とを集積化することを試みた。この集積型EL素子の作製にあたって、まず素子設計を行った上で、申請書の研究計画に記述した順序に従って作製・評価を行った。 1.MOSデバイスの形成と評価:駆動回路として用いるp-MOSFETをシリコンプロセス技術を用いてSi基板上に形成した。p-n接合部においては、電流-電圧特性測定により、100V以上の逆方向対電圧が得られていることがわかった。また、動特性として、ゲート電圧約1.5Vからゲートによるスイッチングが行われることが示された。以上のことから、良好なp-MOSFETが作製されたいることが確認された。 2.発光層薄膜の作製と発光特性の評価:上記のp-MOSFETのドレイン部分にSiO_2を介して電子ビーム蒸着法によりホットエレクトロン注入型ZnS:Mn薄膜EL素子を作製し、諸特性を評価した。このEL素子は1kHz、110Vの印加電圧で150cd/m^2以上の輝度が達成された。次にこの集積化されたEL素子のソース及びゲート電極に適当な負電圧を印加し、ゲート電圧をon-offすることによって、発光を明瞭に制御することに成功した。 以上は1画素のみについての研究であったので、次年度としては、以上の結果を基にして、複数画素の素子の形成と、それに対する駆動回路の検討を行うとともに、画素の高精細化、多色化についても試みたい。
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