研究課題/領域番号 |
08455145
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村上 正紀 京都大学, 工学研究科, 教授 (70229970)
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研究分担者 |
森 英嗣 京都大学, 工学研究科, 助手 (60283644)
小出 康夫 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70195650)
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キーワード | GuN / ZnSe / オーム性電極 / コンタクト抵抗 / ショットキー障壁 |
研究概要 |
本研究の目標は、ワイドギャップ化合物半導体の(1)低抵抗な高性能コンタクト材料を発掘すること、および(2)ワイドギャップ半導体用コンタクト材の普遍的な設計指針を構築することである。最終年度に得られた結果は以下のようにまとめることができる。 p-ZnSeについて (1)p-ZnSeに対するショットキー障壁高さ(SBH)は、金属の種類に依存せず、1.2±0.1eVであった。このことはフェルミ準位が金属/半導体界面にピン止めされていることを示している。 (2)コンタクト抵抗pcとアクセプタ濃度N_Aの関係を理論的に計算した。オーム性が得られるpc=10^<-3>Ωcm^2を達成するためには、N_A=10^<20>cm^<-3>以上のホモ構造中間層、あるいはφ_B=0.4eV以下のヘテロ構造中間層を形成する必要があることが判明した。 (3)MBE成長されたp-ZnSe層の許容アニール温度は350℃であり、この温度以下のアニールによって上記の条件を満足する半導体中間層を形成することは非常に難しいものと考えられる。 p-GaNについて (1)P-GaNのSBHは金属の仕事関数に依存すること判明したが、今後ド-ピング濃度とともに正確なSBHの値を求めることが課題として残された。 (2)熱処理における雰囲気の及ぼす影響を調べた結果、種々のコンタクトに対して酸素を含む雰囲気中での熱処理がコンタクト抵抗を減少させることが判明した。この原因はp-GaN中で水素混入により不活性化しているMgが、活性化されるためであることがわかった。 (3)しかしながら、ド-ピングレベルは10^<20>cm^<-3>程度において限界であり、今後低いSBHを呈する半導体ヘテロ中間層を発掘する必要があることがわかった。 (4)p-ZnSeと比較した大きな相違点は、p-GaNに対する許容アニール温度は少なくとも600℃であり、より高温のアが、ホモ構造中間層あるいはヘテロ構造中間層が形成可能であるかは今後の課題として残された。
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