研究課題/領域番号 |
08455149
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
宮里 達郎 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (90029900)
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研究分担者 |
孫 勇 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (60274560)
浅野 種正 九州工業大学, マイクロ化総合技術センター, 教授 (50126306)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | ヒートパルス / フォノンパルス / 超伝導ポロメータ / ブレークスルー / デコンボリューション / 酸素濃度 / シリコンウエハ / 酸素分子 |
研究概要 |
先ずこの研究においては、時間的・空間的に高い分解能を持ち1.2〜2K付近で高感度で応答の早いヒートパルス(フォノンパルス)の発生及び検出の技術を完成させる必要があった。これにはアルミニューム薄膜超伝導ボロメータが最も好ましいと考えられ、ボロメータとしては有限の超伝導転移温度幅と高い再現性を必要とする。この研究に於いて完成させた技術は次の通りである。時間・空間分解能を高めるため半導体の微細加工用のフォトリソグラフィーの技術でヒーター(発生素子)ボロメータ(検出素子)とも50×50μm^2程度と可能な限り小さくし、同軸ケーブルの特性インピーダンスに合わせて作動時に50Ωとなるようにし、有限の転移温度を持たせるため5×10^<-6>Torr程度の高純度酸素ガス雰囲気中で作製した。極めて短いパルス電流(数ns)によるヒータ・ボロメータ間の電磁誘導(ブレークスルー)を防止すべく電極の配置やマイクロ同軸ケーブルとの接続を工夫し、得られた信号における有限の熱伝導速度や転移速度、熱容量等による時間的な遅れに対しては数値計算によるデコンボリューションを行なうことにより真のエコーシグナルを求める技術を開発した。 次に、これまでにシリコン結晶中の酸素の存在が様々な問題の原因とされている、CZ(Czochralski)法による酸素濃度の異なる(酸素濃度5×10^<-17>/CC及び5×10^<-18>/cc)と、酸素濃度の極めて少ないFZ(Floating zone)法による両面研磨、厚さ500μm、のシリコンウェハを用いて、その両端面にヒーターとボロメータを上記の方法で透過法によりフォノンパルスの散乱の測定を行なった。その結果、酸素分子の存在はL及びTモードの強度比及び拡散パルスの強度に極めて敏感であることが判明した。その定量的な測定と理論的な考察については今後の課題となっている。
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