研究課題/領域番号 |
08455150
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
丹生 博彦 姫路工業大学, 工学部, 教授 (40047618)
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研究分担者 |
藤沢 浩訓 姫路工業大学, 工学部, 助手 (30285340)
清水 勝 姫路工業大学, 工学部, 助教授 (30154305)
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キーワード | MFS型デバイス / 強誘電体 / 半導体界面 / MOCVD / PZT薄膜 / Ir |
研究概要 |
本研究は、金属M-強誘電体F-半導体Sから成るMFS型の電子デバイス実用化にとって重要課題である界面特性の向上を主目的として推進されている。当該年度では、1. PZT薄膜の特性評価・解析、2. F/S界面の電気的特性の評価法の確立、および3. PZT薄膜形成用のMOCVD装置の設計・製作を行った結果、それぞれにおいて以下(1)、(2)、(3)に要約される成果を得ている。 (1) MOCVD法によるPZT薄膜のスッテプカバレージについて検討し、PZT/Pt/SiO_2/Si構造でのPb拡散に因るステップ変形を指摘し、その対策としてPtをIrに置き換えることを提案しその有効性を確かめた。AFM (Atmic Force Microscope)の適用により、PZT薄膜の表面トポグラフとリ-ク電流の同時観察に成功し、膜中において粒界がリ-ク電流の経路となっていることを明らかにすることが出来た。 (2)整備した装置により、Irを拡散汚染したn型Siのショットキーダイオードとp型Si上にPbZr_xTi_<x-1>O_3薄膜を有するMISダイオードを試料とする測定を行った。その結果、高誘電率薄膜を用いるMIS構造は従来のMOS構造よりも高密度の界面準位が存在しても、電界効果デバイスへの適用可能となることを示している。さらに、IrがSiの伝導帯から0.25eV下に電子トラップ準位を形成することも見出した。 (3)新たに設計したMOCVD装置は、ガス供給系、反応室および排気系から成り立つ。反応室はステンレス製縦型のものであり、光励起プロセスを用いた成膜にも対応できると同時に質量分析装置(Qマス)等による反応過程の分析も可能な構造になっている。既に部品すべての製作を終え、現在組立に取り組んでおり、本年度中に試運転を行う。
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