研究課題/領域番号 |
08455154
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
岩井 荘八 理化学研究所, レーザー科学研究グループ, 先任研究員 (40087474)
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研究分担者 |
目黒 多加志 理化学研究所, レーザー科学研究グループ, 先任研究員 (20182149)
一色 秀夫 理化学研究所, フロンティア研究システム, フロンティア研究員 (60260212)
青柳 克信 理化学研究所, 半導体工学研究室, 主任研究員 (70087469)
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キーワード | 原子層成長 / 有機金属気相成長法 / 準結晶 / GaAs / 原子層超格子 / X線回折 / フィボナッチ数列 / 自己停止機構 |
研究概要 |
本年度は原子層成長(ALE)を用いて周期構造変調された原子層制御超格子の作製システム開発を目的として、フレキシブルな原子層列発生システム及び大容量のバルブ開閉シーケンサーの作製を行った。さらにALE成長により作製した原子層制御超格子の組成、構造及び不純物ド-ピングの原子層制御技術の確立を目指した。本年度の成果は以下のとおりである。 (1)短周期超格子構造における原子層オーダー制御技術の確立 ALEの特徴である自己停止機構により極微小選択領域(〜nm)においても異常成長のない均一な局在ALE成長を実現した。この技術を用いて横方向に量子閉じ込め構造を有する(GaAs)m(GaP)n擬一次元系超格子(QlD-SL)の作製に成功した。ALE成長した(GaAs)_5(GaP)_5QlD-SLの透過電子顕微鏡(TEM)による断面原子像観察から、原子オーダーの極微小選択領域において原子層オーダーでの膜厚制御性、均一性を有しかつ成長モードの切り替えが実現されていることを確認した。 (2)周期構造変調超格子構造の作製 あらゆる原子層列のALE成長の対応できる大容量のバルブ開閉システムの構築を行った。この新しいALEシステムを用いて数種類のGaAs/GaP系周期構造変調単原子層超格子(短周期、準周期、ランダム、混晶)の作製を行った。特に準周期構造としてフィボナチ数列を用いた超格子の作製を行った。 (3)周期構造変調超格子の構造解析評価 周期構造変調単原子層超格子の構造解析を行うためにX線回折をおこなった。X線回折パターンから準周期超格子はフィボナッチ周期の構造を持っていることが証明された。一方ランダム超格子では完全に周期性を持たず、また短周期超格子では完全な周期性を持った構造となりフィボナッチ構造とは明らかに異なった回折パターンが得られた。
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