研究課題/領域番号 |
08455166
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
横山 新 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 教授 (80144880)
|
研究分担者 |
永田 真 広島大学, 工学部, 助手 (40274138)
芝原 健太郎 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 助教授 (50274139)
|
キーワード | エピタキシャルリフトオフ(ELO) / 界面活性剤 / 消泡剤 / サファイア基板 |
研究概要 |
本研究ではエピタキシャルリフトオフ(ELO)法と呼ばれる方法により、Si集積回路上へ高品質な発光素子を搭載する方法を確立することを目的としている。 平成8年度は、ELO法の高速化を行った。ELO法は非常に薄いAlAs層を弗酸によって選択的にエッチングし、AlAs層上に形成した薄い発光素子をGaAs基板から剥離する方法である。従って剥離速度が遅いことや剥離後の発光素子のハンドリングが困難であるなどの問題があった。そこで弗酸に界面活性剤と消泡剤を添加し、液温を40℃に加熱することで、AlAsエッチング速度を約8倍に高速化することができた。この方法によりGaAs基板から剥離した発光素子の結晶性に顕著な劣化が無いことをホトルミネッセンス法により確認した。さらに剥離後の発光素子の支持にサファイア基板を用いる新たなELO法を開発し、薄膜のハンドリングの問題を解消した。サファイア基板は透明なのでSi集積回路上への発光素子の位置合わせもガラスマスクと同様に容易に行うことができる。また、弗酸に耐性のあるポロプロピレン製のホルダーとネジを用いて人工的にウエハ-を反らせ、AlAs層のエッチングを促進させる方法を開発した。 高速ELO法によりGaAs基板から剥離したGaAs発光素子アレイを3次元積層装置を用いてSi基板上に接着した。接着にはGaAsとSiの両者と室温でも反応するPd金属を用いた。Si基盤上に搭載したGaAs発光素子の光出力が、GaAs基板上の発光素子の光出力を上回っていた。GaAa/Pd界面で光が反射し上方へ出射してきたものと考えられる。この結果は、光出力の高い発光素子をSi集積回路上にも搭載できる可能性を示唆している。なお設備備品のパーソナルコンピュータ及びAT-MIO-16Xボードは、MBE装置を自動化し、結晶成長時の様々な情報をリアルタイムで観察する目的で購入した。
|