研究課題/領域番号 |
08455169
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
川上 彰二郎 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (10006223)
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研究分担者 |
佐藤 尚 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (30261572)
花泉 修 東北大学, 工学部, 助教授 (80183911)
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キーワード | 偏波コントローラ / 回転波長板 / 液晶 / ハイブリッド集積 / 光ファイバ / ポリマー導波路 |
研究概要 |
(1)面型液晶偏波制御素子の改良及びシステムへの応用 前年度に開発を開始した面型の液晶偏波制御素子について、作製プロセスの改善および構成部品の改良を行った。その結果、所望の性能値(位相変化量、動作電圧など)を有する素子を再現性よく作製することが可能となった。 また同素子と電子・光学制御系を組み合わせて偏波面安定化システムを構成した上で、そのシステム全体の応答速度の評価を行った。その結果、50ミリ秒程度の速度で変動する偏波状態まで追随して安定化しうることを確認した。 (2)ポリマー導波路と液晶の複合集積 ポリマーに代表される有機系の光導波路は一般的な石英系導波路と比べて作製が容易であり、液晶と組み合わせることで、偏波変換・スイッチング・分岐・合波などの機能を持つ素子を高いコストパフォーマンスで実現できる可能性がある。本年度はまず、このポリマー導波路をシリコン基板上に形成するプロセスを確立した。また作製した導波路の伝搬損失などの評価をおこなった。続いて、複雑な光分岐・合波機能を可能とするために、多層配線構造を持つ導波路の試作をおこなった。 (3)光ファイバと液晶層の直接集積 光ファイバ伝送路からの光を直接液晶で制御することを目的として、V溝付きのシリコン基板にビーム拡大光ファイバと液晶層を複合集積化する新しい構造の素子の提案をおこなった。従来の光ファイバ型素子は、組み立て時に各光部品間の精密な位置合わせを必要とする。本研究ではそれが不要となるような素子の構成方法も同時に提案した。 本年度は同素子の作製技術を確立した上で、実際に作製をおこない、基本性能を評価した。その結果、ファイバからの出射光の偏波状態を連続的に変換できることを確認した。また挿入損失は約3dBと、位置調整を必要としない構造にもかかわらず非常に低いものとなった。
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