研究概要 |
将来、ミリ波ないし短ミリ波用機能回路を小型に、かつ集積化構成する際、回路素子は主に低損失な高誘電率誘電体材料を用いて作製される。本研究代表者等は、誘電体回路が密集して配置・構成されると回路相互間には不均一電磁結合が生ずることを明らかにして来ている。 本研究は、このような集積化回路中の回路素子間の電磁結合現象を理論解析的・実験的に研究するものである。平成7年度に明らかにした不均一分布結合部分の電磁結合量の算定方法を利用し、本年度次の研究成果を得た。 (1)高誘電率誘電体(ε_r)導波路の基本伝送モードの特性を明らかにし、このモードの結合特性を調べた。 (2)高誘電率誘電体で構成したウイスパリングギャラリモード円板共振器の固有モード算定法を見い出し、このモードと外部回路との結合特性を明らかにした。 (3)高誘電率誘電体回路素子間では素子相互の分布結合が極端に低減する場合があり、この結合を一定量に制御する手法を検討した。 〈発表論文〉 [1]苫米地・生地・古神・松村、高誘電率円板供振器のウイスパリングギャラリーモード共振特性、電子情報通信学会論文誌、Vol.J81-C-I,no.1,pp.42-44,(1998年1月) [2]K.Matsumura and Y.Tomabechi,Improved analysis of dispersion characteristics of a high permittivity rectangular dielectric waveguide,IEEE International Conference on Microwave and Radar,Poland,Krakow,(1998年5月)「採録決定・発表予定]
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