研究概要 |
半導体光増幅器における四光波混合特性について理論解析をすすめ,この結果に基づいて新構造の四光波混合光スイッチを設計・試作した。このスイッチは,半導体光増幅器を3段カスケードに接続したもので,40dBの小信号利得を持つ。この増幅器をポンプ光により強く飽和させると,大きな変換効率を達成できる。このデバイスを用いた10nmの波長変換時の変換効率は,約-5dBであった。また,このときパルス幅2psの光パルス列を歪みなく波長変換することができた。 次に,このデバイスを位相共役器として動作させ,位相共役光通信システムを構築した。40kmの通常分散ファイバ伝送リンクの中点に位相共役器を配置して分散補償を行い,2psのパルス伝送に成功した。二次分散は位相共役により完全に補償されているが,伝送されたパルス幅はファイバの高次分散の影響を受けていることが示された。 本研究により,半導体光増幅器の超高速光信号処理能力が示されたと考える。
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