研究概要 |
半導体光増幅器における四光波混合特性について理論解析をすすめ,この結果に基づいて新構造の波長スイッチを設計・試作した。10nmの波長変換時の変換効率は約-5dBであった。また,パルス幅2psの光パルス列を歪みなく波長変換することができた。 また,このデバイスを位相共役器として動作させ,位相共役光通信システムを構築した。40kmの通常分散ファイバ伝送リンクの中点に位相共役器を配置して分散補償を行い,2psのパルス伝送に成功した。伝送されたパルス幅はファイバの高次分散の影響を受けていることが示された。 次に,半導体光増幅器の四光波混合を応用して,フーリエ合成による超短光パルス発生を試みた。まず半導体光増幅器に2周波数を入射し,四光波混合により位相がロックした四周波数を発生させる。これらの周波数成分の振幅と位相を最適に制御し,繰り返し周波数113GHz,パルス幅1.8psのパルス列を発生させた。振幅と位相の制御には,以下の手法を用いた。ファイバから出射した周波数成分を,回折格子とフーリエ変換光学系を用いて空間に展開し,各成分の振幅,位相を空間変調器により制御した後,再び回折格子とフーリエ変換光学系を用いてファイバに入射させる。
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