研究概要 |
本研究は画像による画像情報の検索に適した特徴量の抽出と,階層構造を持った情報探索方式に分けられる. 画像情報の検索には特徴量間のマッチングが必要なため,自動抽出可能な統計量に対象を絞り,マッチングに適した特徴量を全て調査した.その上で主観類似度と相関の大きい特徴量を調査して,自動的に検索に適した特徴量を求める方式を開発した.この方式は利用者個人が類似すると判断したトレーニング画像群をもとに,画像を自動的にクラスタリングすることにより,検索に適した特徴量を求める方式であり,利用者に適した検索方式を構築することができる.実験の結果,本方式を用いて検索した場合優れた適合率を見いだせることが明らかになった.更に検索に必要な色数について検討した結果,11の代表色を用いることにより良好な検索特性が得られ,検索時間の短縮が可能となることを確かめた. 情報探索方式については,前年度から検討しているエントロピーを基にした画像情報探索方式を更に改良した.色対情報による検索と組み合わせて,分散した環境下で画像情報を最小コストで探索する実験システムを試作するとともに,ATM等の高速回線を利用した情報探索実験を行った.本試作システムでは,キーワード,類似画像,ブラウジングを組み合わせて,短時間に利用者の希望する画像を探索する.更に,通信ネットワークが複雑な構成をしている場合を対象として,同報通信も併用して通信コスト最小で情報を探索するルーチングアルゴリズムの開発も行った.これらの成果は今後実験システムに搭載していく予定である.
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