研究課題/領域番号 |
08455199
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
熊丸 耕介 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (30037949)
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研究分担者 |
前田 誠 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (00274556)
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キーワード | 故障診断 / モデリング / 非線形システム / システム同定 / ロバスト同定 / 闘値判定 / カルバック情報量 / パラメータ推定 |
研究概要 |
研究課題の最終年度である本年度においては、モデル化誤差にロバストなモデルベース故障診断システム構築の基礎を確立するため、 先ず、物理的モデリングが困難な非線形未知システムを診断対象システムとする場合に対して、1)故障診断用モデリングとその同定法、2)故障検出法、3)故障検出における閾値設定法、について考察し以下の研究成果を得た。1)については、線形ARMAXモデル構造の枠内で多様な非線形システムを表現しうるモデルとして、その係数パラメータの中に、診断対象システムの非線形特性を非線形ノンパラメトリックモデリング(NNM)を通して埋め込んだ準ARMAXモデルを考察しその同定法を確立した。またこの準ARMAXが線形構造をもつことから、多様な非線形システムに対してSTR(Self-Tuning Regulator)による適応制御則を線形制御理論の枠内で合成できることを明らかにし、本モデルが診断用モデルのみならず適応制御による故障対応用モデルとしても有効であることを確認した。2)については、準ARMAXモデルが線形ARMAXモデルの非線形重み付き和としてのマルチモデル構造性を持つことを利用して、マルチモデルに基づく非線形システムの故障検出法を考案した。また、故障検出指標として用いるカルバック識別情報量(KDI)をマルチモデルの重み係数と関連付けて評価することにより、故障検出のロバスト化を実現した。3)については、KDIの確率特性を正常運転時のシステム同定結果から学習することにより、閾値判定による故障検出のFalse Alarm Rateを所望の有為水準に定める閾値設定法を確率した。 次いで、物理的モデリングが可能な非線形システムを診断対象システムとする場合に対しては、故障要因となるシステム構造パラメータの変動を、本研究室で開発した短時間同定法を用いてオンライン監視する「同定ベース故障診断法」を確立し、非線形サーボシステムの故障診断に適用してその有効性を確認した。
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