研究課題/領域番号 |
08455201
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
内山 明彦 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063615)
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研究分担者 |
斎藤 恵一 早稲田大学, 人間総合研究センター, 助手 (90277799)
庄子 習一 早稲田大学, 理工学部, 助教授 (00171017)
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キーワード | 消化管計測 / バイオテレメトリ / センサ / マイクロマシン |
研究概要 |
次世代内視鏡の要素技術と方式について研究を行い以下のような成果を得た。 (1) 要素技術 消化管を対象としたものとして、複数のパラメータを同時計測し得る"マルチ・マイクロセンサ"を開発した。これは、圧力、pHおよび温度センサをシリコン基板上に集積化した。すなわち、ピエゾ抵抗型ダイヤフラム圧力センサ、イオン選択性電界効果トランジスタによるpHセンサおよびp-n接合を用いた温度センサから成っている。なお、チップの寸法は縦4mm、横3mm、厚さ0.2mmである。 さらに、システムの小型化を行うために回路のBiCMOS・ICを用いて周辺回路を設計し、消費電力の低減可能な方式を設計した。その結果、電池を含み外径5mm、長さ10mmのカプセルが可能となった。 (2) 方式 本年度は特に低消費電力化を行った。電波として伝送する場合、高周波送信部が最も電力を消費する。これを避ける手法として、生体組織を伝送路として利用する方式を考案し実測した。人体は、高周波特に約50KHz付近で良好な伝送特性を示すので、この周波数を搬送波としてFM変調を行った。試作したシステムでは、送信のための消費電力は8μWであり、電磁波あるいは赤外線を用いる通信方式に比べ極めて小さい。 なお、多チャンネル化の可能性を実験した結果、30KHzと70KHzの搬送波を用いることにより、混信の恐れは全く無く受信側で分離し得ることも確認された。したがって、今後体内から情報を送り出す場合に体組織を伝送路として利用出来、腕部で信号を受信する方式が実用になろう。人体から離れた場所への伝送は腕部において中継を行えば良く、体内の発信器を小型で長寿命化するのに極めて有効である。
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