研究課題/領域番号 |
08455203
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
角田 與史男 北海道大学, 工学部, 教授 (60001210)
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研究分担者 |
佐藤 靖彦 北海道大学, 工学部, 助手 (60261327)
古内 仁 北海道大学, 工学部, 助手 (60165462)
上田 多門 北海道大学, 工学部, 助教授 (00151796)
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キーワード | 面部材 / 棒部材 / せん断耐力 / 押抜きせん断破壊 / はり型せん断破壊 / 有効幅 / せん断補強鉄筋 |
研究概要 |
現行の土木学会コンクリート標準示方書による棒部材のせん断耐力算定式と面部材の押抜きせん断耐力算定式では、引張鉄筋比の影響や寸法効果等主要な因子の影響について共通のパラメータを用いている。しかし、面部材の押抜きせん断破壊では、引張鉄筋の降伏後にせん断破壊すること、圧縮部のコンクリートが三軸応力状態であること等の相違点がある。そのため、面部材の自由縁付近に集中荷重が作用する場合や大きなフランジを持つT型断面部材等のように棒部材と面部材の中間的な破壊に対して拡張することが困難な状況にある。本研究は、両者を包含する統一的なせん断耐力算定法法の確立を目的としているが、本年度は以下に示すことを調査し検討を行った。 1.一方向RCディープスラブにおけるせん断破壊に対して載荷幅と支持幅の影響を実験的に調査した。その結果、ディープスラブははり的なせん断圧縮破壊を示した。そのときのせん断耐力は載荷幅と支持幅の大きさで決まる有効幅を用いたディープビームのせん断耐力として与えることができる。 2.一方向RCスラブと両側に対称な張出しをもつRCスラブについて、せん断補強鉄筋の効果について実験的に調査した。その結果、押抜きせん断破壊が卓越する領域においては、せん断補強効果が期待できるが、はり型せん断破壊が卓越する領域では期待できない。せん断補強鉄筋が配置されたスラブの剛性は、配置されていないスラブに比べて小さくなる場合がある。また、スラブはせん断補強鉄筋が降伏しないで破壊に至ることが明らかとなった。 3.軸対称RCスラブについて、押抜きせん断破壊に対して曲げ補強鉄筋量とせん断補強鉄筋量をパラメータとして有限要素解析を行った。曲げ補強鉄筋が増加するにつれて、スラブの剛性および押抜きせん断耐力が増加する。せん断補強鉄筋が増加するにつれて、押抜きせん断耐力が増加するが、合成の増加は認められなかった。
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