コンクリートのクリープひずみおよび乾燥収縮ひずみに及ぼす外気温の影響について検討を行った。 乾燥開始後の外気温を一定とした条件下においては、高い外気温下におかれたコンクリートほど、クリープひずみおよび乾燥収縮ひずみが終局値に達する時間が早くなること、また、クリープひずみおよび乾燥収縮ひずみの終局値に及ぼす外気温の影響は小さいことを実験的に明らかにした。 また、実環境下における乾燥収縮ひずみは、湿度変化の影響よりも温度履歴の影響を強く受けた。とくに、低温から上昇する温度履歴下の乾燥収縮ひずみは、一定温度下のものより大きくなった。このような実環境下の乾燥収縮ひずみを表すためには、乾燥開始後から乾燥収縮ひずみを求める乾燥期間までの平均温度に等しい一定温度下で測定された乾燥収縮ひずみと温度履歴に依存する係数を用いることが有効であることを示した。 実環境下におけるクリープひずみは、温度履歴の影響よりも湿度変化の影響を強く受けた。実環境下において測定されたクリープひずみは、湿度一定の条件下において測定されたものの約2.0倍に達した。 これらの結果を基に平成9年度は、湿度変化がクリープひずみに及ぼす影響の検討を重点的に行い、実環境下におけるクリープひずみおよび乾燥収縮ひずみの合理的な予測手法を確立する予定である。
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