変動する温度条件下におけるコンクリートのクリープおよび乾燥収縮の予測に関する研究を行った。すなわち、わが国における四季の温度変化を想定し、20℃、35℃および5℃を春秋、夏および冬の平均温度とし、それらの変動温度下におけるコンク-トのクリープおよび乾燥収縮試験を行う。コンクリートの打設時期を考慮し、20℃*35℃*20℃*5℃、35℃*20℃*5℃*20℃、20℃*5℃*20℃*35℃、5℃*20℃*35℃*20℃の4ケースの変動温度下のクリープおよび乾燥収縮試験を実施した。載荷時の材令は、3日、7日、14日および28日である。供試体寸法は10*10*40cmの角柱供試体とする。湿度条件は、60%〜80%の間で選定した。その結果、以下の結論を得た。 コンク-トのクリープおよび乾燥収縮の大きさは、コンクリートが打設される季節、すなわち温度の影響を強く受けることが明らかになった。 コンクリートの乾燥収縮におよぼす温度履歴の影響は、湿度変化の影響よりもかなりおおきいことが明らかになった。 低温から高温へと変化する温度履歴を受けるコンク-トの乾燥収縮ひずみは、他の温度履歴を受けるコンクリートのそれよりも大きいことが明らかになった。 乾燥収縮の変動がコンクリートのクリープにおよぼす影響は小さい。 コンクリートのクリープは、持続荷重載荷前の養生温度の影響を受ける。
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