研究概要 |
1.動光弾性実験によるはり模型の衝撃破壊実験の結果 下縁に切り欠きを持つ光弾性模型はりに対する横衝撃実験を,衝撃点と切り欠きが同一断面にあって曲げが卓越するCase-1と,衝撃点と切り欠きが同一断面になく曲げとせん断が混在するCase-2とに対して行い,それぞれの衝撃破壊過程について以下のようなことが判明した.(1)切り欠き先端の応力拡大係数は,はり内を往復する曲げ波動の往復とともに周期的に増減しながら全体として増加し,動的破壊靱性に達したとき亀裂進展を開始する.(2)Case-1では,亀裂は切り欠き先端からほぼ直上へ進行する.(3)Case-2では,切り欠き先端の応力拡大係数の変化に敏感で,衝撃後比較的早い段階で亀裂が進展する場合は,亀裂がはり高の半ばから衝撃点または衝撃点の逆方向へ曲進しさらに上縁近傍でははり軸に直角方向へ進展する.一方,十分大きな応力拡大係数のもとで亀裂が進展する場合は,衝撃点方向へ曲進する.(4)Case-2の2種類の亀裂進展過程は,亀裂進展時のはり内の曲げ応力の状態で決まり,亀裂を挟むはり部分の曲げ応力の大きさに支配される.(5)曲げ応力が大きいはり部分に対して,亀裂先端には曲げモーメントに対応するせん断応力が発生し,最大主応力方向が変化するため亀裂が曲げ応力の大きい法へ曲進する. 2.RCはりの衝撃破壊実験の結果 スパン2mの複鉄筋RCはりの中央を132kgfの鋼落錘で横衝撃した結果,静的載荷の場合は,はり下縁中央に亀裂が集中的に発生して破壊するが,衝撃破壊の場合は,曲げ波の伝播を反映して亀裂がはり下縁全体に分布すると同時に支点寄りのはり上縁にも亀裂が発生して破壊することが明らかになった.
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