研究課題/領域番号 |
08455215
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柳澤 栄司 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10005324)
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研究分担者 |
朴 燦燻 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20271885)
池田 清宏 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50168126)
風間 基樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20261597)
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キーワード | 多孔質媒体 / 熱移動現象 / 有限要素法 / 非定常問題 / 対流 / 地盤物性 / 熱物性 / 非線形な伝達特性 |
研究概要 |
平成10年度は、前年度に開発した熱映像撮影装置および画像処理プログラムを用いて、水で飽和した各種地盤材料模型について多孔質媒体中の熱移動現象を実験的に求め、熱物性値を求める室内試験を行った。ここで用いたシステムは、熱映像をパソコンにとり込んで画像処理することにより、透水係数の異なる地盤における熱移動現象と水の流れをリアルタイムで測定解析するシステムであり、本研究費を用いて開発したものである。 理論解析として、有限要素法を用いた多孔質媒体中の水と熱の達成系の解析プログラムを開発し、地盤中に熱源のある非定常問題を実験条件に合わせて解き、実験結果と比較した結果、本解析プログラムは対流による熱伝達の現象をかなり精度良く再現できるが、地盤物性の与え方について改良の余地があることを見出した。 また、地盤材料の熱物性を推定するための簡易な実験方法や、亀裂を有する岩盤の熱伝達問題を解く手法も開発したり、地盤材料の非線形な伝達特性を推定する手法としては、半経験的な簡便式が適切であり、実験結果を精度良く表す式としては、De Vriesの式が最適であるとの結論を得た。 熱伝達問題に対するバーコレーション理論の応用および等価介在物法を用いた地盤材料の熱物性値の予測手法については、昨年度の基礎理論の検討の結果、決定論的な熱伝導現象の解明には必ずしも最適な手法であるとは考えられない部分があり、精度の点でも、利用方法の簡便さの点でも有利とは言えないため、これについての検討ば本年度も行わないこととした。
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