研究課題/領域番号 |
08455217
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地盤工学
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
小田 匡寛 埼玉大学, 工学部, 教授 (90008855)
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研究分担者 |
谷山 尚 埼玉大学, 工学部, 助手 (80236710)
長田 昌彦 埼玉大学, 工学部, 助手 (00214114)
奥井 義昭 埼玉大学, 工学部, 助教授 (40214051)
角田 史雄 埼玉大学, 工学部, 教授 (80092021)
嶋本 利彦 京都大学, 理学部, 教授 (20112170)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | 脆性材料 / 岩石 / 破壊 / クリープ / マイクロクラック |
研究概要 |
本研究は、高温・高圧下における岩石のクリープ、疲労破壊に関する実験を体系的に行い、地下深部での地下構造物の長期安定問題に資するデータを提供することを直接の目的とている。その研究成果は、以下のように要約できる。 1)花岡岩のような脆性材料のクリープ、疲労特性を実験的に明らかにするために、制御のアリゴリズムの作成の実験精度の確認を行い、またステレオロジーを応用したクラック検出法を開発した。2)岩石の高圧三軸圧縮、クリープ、疲労試験を行い、微小クラックの発生・進展の観察を行った。クラックの発生・進展を定量化に追跡し、クラックの進展と時間依存型破壊との間の重要な関係を指摘した。3)花崗岩を90℃の熱水に浸潤させ、2000日の長期にわたる物理的・化学的変化を追い、力学挙動を予測する上での基礎的データを得た。化学的には、粘土鉱物の合成が進むなど著しい変化を生じていて、長期の熱水浸潤によりそのクリープ、疲労特性は大きな影響を受けることを確認した。また透水係数の大きな変化は、花崗岩の残留応力の開放によるクラック発生・進展によっていて、応力腐食割れの効果の大きいことを示した。4)二次元的クラックを仮定し、また異種結晶粒や粒界の影響などを無視したマイクロメカニックスを展開することにより、新しいクリープ理論を構築した。本モデルによって、定性的にではあるが、クリープ破壊における1、2、3次クリープの遷移、クリープ破壊でのせん断面の形成など、時間依存型破壊の基本的なメカニズムが説明できた。5)高速変形下に置かれた岩石不連続面の摩擦実験から、変位速度1000-10000mm/sで斑レイ岩の動摩擦は大きく低下する現象を捉えた。地質不連続面の時間に依存する変形特性は、今後この方面での研究に大きく貢献するものと考えられる。
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