研究概要 |
圧密過程における圧縮を,弾性・塑性・粘性の3成分に,あるいは回復成分と非回復成分とに分けて取り出すことを研究の主目的とした。正規圧密領域におけるこの目的は過去の実験研究(分割型圧密実験に基づく一連の研究)によりほぼ達成されていたので,今年度の研究を2点にしぼり,以下に示す成果を得た。 課題1-正規密圧領域における数値解析手法の開発とその適用性の検討- 過去の研究でほぼ確立した構成式を用いた数値解析手法を新たに開発し,それを泥水の沈降・自重圧密過程,粘性土の堆積過程,堆積粘土層の上載荷重による圧密過程の3つに適用し,他者から得られている過去の研究成果と比較検討した。その結果,いずれの過程に対しても新しい解析手法の結果は実際の観察結果と良い一致を示した。 課題2-過圧密領域における信頼できる実験手法の開発- 従来型オエドメターでは除荷に伴う気泡の発生を妨げないために,密閉型オエドメターで載荷圧一定の下に水圧を増減させる圧密方法を開発した。多様な面から検討した結果,この新方法により信頼できる応力-歪-時間関係を求め得ることを確認できた。さらに過圧密領域での除荷再載荷試験により,過圧密領域ではフォークトモデルの圧縮特性を示すことが明確になった。 以上の結果に基づいて,定動水勾配試験により過圧密領域の特性を解明できる自信を得た。
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