研究課題/領域番号 |
08455222
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
八木 則男 愛媛大学, 工学部, 教授 (00027228)
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研究分担者 |
横田 公忠 愛媛大学, 工学部, 助手 (30036363)
矢田部 龍一 愛媛大学, 工学部, 助教授 (70127918)
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キーワード | 粘性土 / 非排水強度 / 残留強度 / せん断抵抗角 / 有効応力 / 間隙水圧係数 |
研究概要 |
我が国の粘性土の有効応力に関する強度定数のうちc′は、多くの場合、ゼロまたはゼロに近いことをこれまでの研究で明らかにしてきた。このような粘性土は真の粘着力c_eを有していないことになる。そこで、強度の立場から粘性土をc_eを有するものと有さないものに分類し、ここでは前者に的を絞って非排水強度と残留強度の研究を行った。実験に使用した試験機は三軸圧縮試験機と試作したリングせん断試験機である。多くの種類の粘性土に対して種々の状態で圧密非排水試験を行ったところ、(1)1つの粘性土では土のような状態においても有効応力に関するせん断抵抗角φ′は同じであることが分かった。この事実から、対象としている粘性土の非排水強度は種々の状態によって異なる破壊時の間隙水圧係数A_fによって決定されるとして、A_fに与える影響因子につて調べた。その結果、(2)A_fは圧密時の圧密履歴、圧密方法、せん断ひずみ履歴、せん断時の状態(平面ひずみ状態など)などによって異なり、それぞれに対応する値が得られた。特に、平面ひずみ試験から平面ひずみ状態と通常の三軸圧縮状態では、ダイレイタンシー特性が異なり、それが発生間隙水圧に影響して非排水強度が異なることが明らかになった。一方、非常に大変形を与えたときの残留強度状態に対応する抵抗角φ_rがピーク強度に対応する値からどれだけ低下するかは地すべり地の安定問題に関連して重要である。数多くの地すべりのすべり面粘性土に対してリンクせん断試験を行ったところ、(3)低塑性の粘性土でも強度定数の低下が大きいものが存在し、塑性指数との相関性がほとんどないことが明らかになった。(4)そして、強度定数の低下量は粘性土を構成する鉱物に依存しており、モンモリロナイト、クロライトやタルクが主成分の場合、低下が大きいことが明らかになった。
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