(1)実験研究 (a)実験研究の内容:(1)レーザー光源を用いた落下濁水塊の画像解析処理法の確立、(2)静水および流水中を降下する投下塩水塊に関する実験、(3)静水中を降下する粒子群に関する実験(ただし、サーマル領域のみ)、(4)静水中を降下する投下塩水塊の底面衝突後の挙動に関する実験(ただし、鉛直運動から水平運動への遷移領域のみ)、(5)緩斜面上を流下する塩水塊に関する実験、を行ない、以下のような実験結果が得られた。 (b)実験研究の成果:(1)静水および流水中を降下する投下塩水塊の流動特性量の定量化、(2)静水中を降下する粒子群の流動特性量の定量化(ただし、サーマル領域のみで、粒子沈降領域は未解明)、(3)静水中を降下する投下塩水塊の底面衝突後の流動特性量の定量化(ただし、遷移領域のみで、水平運動の確立領域については未解明)、(4)緩斜面上を流下する塩水塊の流動特性量の定量化、などを行なった。 (2)理論研究 (a)理論研究の内容:(1)サーマルモデルを用いた静水中を降下する投下塩水塊の流動特性の理論予測、(2)Large Eddy Simulation Model(LES)を用いた密度フロントの流動解析と理論予測、などを行なった。 (b)理論研究の成果:(1)では、静水中を降下する濁水塊の濁水塊の成長率H、降下速度V、平均浮力Bに関する理論解を求めた。その結果、H、V、Bと降下距離zならびに投下聡有効重力W_0との関係は、HはW_0と独立でzの1乗に比例、VはW_0の1/2乗に比例しzの-1/2乗に比例、BはW_0の1乗に比例しzの-2乗に比例することが理論的・実験的に明らかとなった。(2)では、斜面上を流下する密度フロントの流動解析を行ない、現象に対するLESの有用性が確かめられた。さらに現在、静水中を降下する投下塩水塊の落下挙動および底面衝突後の挙動に関する実験結果に対して、LESの適用性を調べていることろである。
|