研究概要 |
1.水辺空間イメージの抽出:研究対象地において,明治40〜現在までの地形図を収集,郷土資料を参考にして,地域の地勢状況を把握するとともに集落分布,成立時期を明確にした.更に,同期における小字地名,行政地名,地域呼称の分布及び変容を取りまとめ,地域において把握されている沼領域,河川領域の明確化を図った. 2.沼空間における自然空間の様態と人間活動との繋がり:対象地区住民7名に対するヒアリング結果を地域資料と共にとりまとめ,過去の沼空間における自然空間の様態や,沼に関連する人間活動の様態を明らかにした.これらの分布を地図上で捉え,地勢と人間活動との関係を考察した. 3.沼辺空間の後背都市との繋がり:隣接する都市と沼との産業的関係を,対象地区住民に対するヒアリングの他,現地調査や商工業資料の通事的変容調査の結果を併せて,考察した. 4.成果の取りまとめ:上記1〜3の項目に関して考察を行い,地勢環境-自然環境-地域環境認識-人間活動の一連の繋がりとして捉え,取りまとめた.結果については,1997年度土木学会環境システム研究に投稿予定である. 5.近自然工法を用いた沼復元のための基礎調査:湿地帯の現況調査に関して,新潟県阿賀野川流域,北海道石狩地方における現地予備調査を行った.同調査結果については,次年度以降の調査研究課題に反映させ,取りまとめる予定である.
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